東大の航空宇宙を1年休学して全く関係ないデザインで飯を食ってる人間がキャリアについて真面目に考える話

この記事は留年生Advent Calender 2017 4日目の記事です。

自己紹介

こんにちは!東大の3年次を休学してFlattという会社でCCO(Chief Creative Officer)をやっている豊田( @toyojuni )と申します。平たく言うとデザイナーです。96年生まれの21歳です。

昨今大学を休学する人間も増えてきて(増えたのかな?とりあえず周りでは全然珍しくない)、この記事に取り立てて特別な点があるわけでもないかもしれませんが、割と特殊バックグラウンドもありますし、自分がこの21歳の冬に何を思い考えていたのかの備忘録とさせていただきます 🙇

そもそも留年生カレンダーなのに休学が混じってる点に関しては目をつぶっていただけると 🙏

最近キャリアハックさんでいい感じに取り上げていただいた記事もありますのでお前誰やねんって人は読んでいただけると喜びます! 👇👇👇

http://careerhack.en-japan.com/report/detail/876

※自分語りは飛ばして休学のセクションから読んでいただいて全然大丈夫です

高校時代

もともとプラモデル作ったりとかしててそっち方面に興味はあったのですが艦これのおかげで完全にミリタリーにハマり、特に戦闘機にどハマりした僕は東京大学工学部航空宇宙工学科に進もうと決意しました。『風立ちぬ』の堀越二郎の後輩にあたるポジションですね。(当時は東京帝國大学の航空學科)

大学1~2年

上裸でラジオ体操を踊る神奈川県の某私立高校を卒業した僕は、無事東京大学の理科I類に現役合格しました。

ん、航空宇宙じゃないんかいと思われたかもしれませんが、東大のシステム上一旦は教養学部に全員ぶち込まれるんです。そこでの1年半の成績ガチンコバトルを経て点数の高い人から希望の学科に入れると言う仕組みになっています。なんとなく想像がつくかもしれませんが、航空宇宙は花形学科でしてだいぶ高い点数を要求されます。

当然僕は航空宇宙以外の学科に行く気はサラサラなかったのでまあまあ真面目に勉強し、無事に2年生の夏が終わる頃には航空宇宙工学科に内定するすることができました。このまま順当に進んで学部を卒業し院に進み卒業し、JAXA三菱重工などその辺に就職する人生が待ってるかと思っていたのですが大学生になってから始めた活動が僕の人生をだんだんと歪ませます。

デザイン

昔から絵を書いたりするのは好きで鉛筆画や油絵などぼちぼち下手の横好きでやってはいたのですが、大学に入ってからデジタルツールも使えるようになりたいなと思いAdobeCreative Cloudに契約しデザインの活動を始めました。基本的にはDTP(紙のデザイン)をやっておりまだITベンチャーとは遠い世界にいたのですが、良い先輩・仲間にも恵まれだんだんとデザインの世界の 底なし沼 奥深さにはまっていくことになります。

2年生の夏、成績的にもほぼ学科への内定も決まっていた頃、webデザインに興味を持ち始め、また世間の大学生もすなるインターンといふものを我もしてみんとてするなりと言うことでデザインでインターンできる場所を探し始めました。

そこで友人にオススメされたのがラブグラフと言う会社。 サービス内容はカップル・家族・フレンドフォトの撮影サービスと見た目とってもゆるふわなのですが、運営メンバーはリクルートYahoo!楽天DeNA・LINEと大企業出身が集まっててとてもイカつく、 またCCOの村田さん@anmitsuchan が有名なデザイナーの方なので、是非ここで働かせてほしいと思いインターンを申し込み、採用してもらいました。

実際中に入ってわかったのはラブグラフの強みは上記の点以上にコミュニティの強さやビジョンのブレなさみたいなところなんですがこの記事では割愛、、、、

今自己紹介だけで長くなってることが申し訳ないので巻きでいきますが、ラブグラフで9ヶ月勤務しとにかく色々教わりました。あと写真にめっちゃはまって今では50万くらい費やす羽目になった。

休学

いよいよ本題らしくなってきました。

順調にデザイン沼にはまってきた僕はとりあえず休学することにしました。 そんなサクッと書くことか、とのツッコミもあるかもしれませんが冷静にメリットデメリットを書き出すと

🙆 メリット

  • デザインの活動に集中して取り組める
  • 国立大学なので休学はお金かからない
  • 学外の知り合いが増える
  • デザインだけじゃなくそもそも色々できる、圧倒的成長(スタートアップ的活動はしようと思ってた)
  • キャリアについて考える期間が1年増える(すでに悩み始めていた)
  • 今思い返してみても本当に色々ありすぎて休学してよかった

🙅 デメリット

  • 学科同期の友達が同期で無くなるので、復学したら友達0でスタート
  • 休学期間半ばで彼女にフラれる(個人差があります)

と言う感じなので、圧倒的にメリットの方が多いですよね。 まあ復学してから色々デメリットが湧いて来るかもしれませんが、今のところ全く後悔はしていません。

Flatt

さて、こうして3年の4月から1年間の休学に突入した僕ですが(今は12月なので9ヶ月目ですね)、休学して何をやっていたかと言うと大学の友人である井手 @niconegoto に誘われて株式会社Flattの立ち上げに参画しChief Creative Officerに就任しました。

まだまだ小さな会社ですが、全社のクリエイティブに責任を持つ立場としてアプリのUIUXからCI、チラシのデザイン、写真に到るまで会社を立ち上げた5月からひたすらモノを作っています :muscle:

ベンチャーという性質上色々アクロバティックな動きをすることもありますがなんとか元気にやっております。

キャリアに悩む

そんなこんなでこの9ヶ月間はピュアにデザイナーとして生きてきたわけですが総合的に本当に良い期間だったなと思います。 列挙すると

  • 実力間違いなく伸びた
  • 今まで見えてなかった課題が見えてきた(組織の中でのデザイナーのあり方、採用など)
  • デザイナーの友達増えた(学校にいてばっかりの生活ではなかなかキツい)
  • 人生のロールモデルとできる尊敬できる年上の知り合いも増えた
  • CDO Nightというイベントで登壇したりキャリアハックで取り上げてもらうなどの経験ができた

などなどです。 すなわち要約すると デザイナー業界の居心地が大変よろしくなってしまった ということです。(もちろん何も悪いことではないのだけど) もちろん僕はデザインという活動が大好きですし、それをキャリアとして生きていくことも何も嫌なわけではありません。

ですが、僕には航空というもう一つ大好きな分野があり、それに対する向き合い方でつい最近までとても悩んでいました。

ビジネスか?アカデミアか?

側から見ると自分が選択できる進路が複数あり、贅沢な悩みなだけだろうとも言われるでしょうしそれも否定はできません。

ですが議題はそこまで単純ではなく、ビジネスで生きていくのか・アカデミアで生きていくのかという二項対立になってきます。(当たり前ですがデザイナーをアーティストとは全く思ってないのでビジネスと書きます)

自分からみたアカデミアの世界(学部3年生並の感想であることをご承知おきください)

🙆 良さそうなところ
  • 世界の根本を作ってきたのはアカデミアであるしやっぱり偉大でかっこいい世界
  • 航空という好きな分野で活躍することができる
🙅 ダメそうなところ
  • 日本における研究者の待遇の悪さ
  • 父親も祖父も旧帝工学部の院を出て就職しているがそこまで華やかな世界が待っているわけではないらしい。(いつもは口うるさい祖父が休学にあまり苦言を呈さなかったのはこういう事情があったらしい。学生時代くらい好きにさせてやりたい的な)
  • 周りのみんな頭良すぎ。しんどい。自分バリュー生めなそう。

自分からみたビジネスの世界(休学スタートアップ野郎並の感想であることをご承知おきください)

🙆 良さそうなところ

  • 経営者でもデザイナーでもエンジニアでも活躍しているロールモデルが近くに多い。夢がある。
  • デザインという好きな分野で活躍することができる
🙅 ダメそうなところ
  • (おそらく)東大を出て専攻の分野で生きていく人生よりはリスキー。

そんなこんなで、色々自分の中で整理してみたのですがビジネスの世界の方が少し自分には輝いて見えて2年目の休学に突入するのもアリなのかなぁ。。。。と考え始めていました。 どちらの分野でも活躍してる人は本当に偉大なんですけどね。自分には後者なのかもしれないとちょっと思ったわけです。

やっぱり復学はしよう

なので、こういった自分なりの考えをぶつけていろんな人に人生相談をしたりもしたのですが、結論としてやっぱり復学して少なくとも学部は卒業しようと決意しました。 そこに至った経緯としては今からあげる人々からのアドバイスがありました。

👨 早慶理系院卒→某大企業で人事の方

「ビジネスの世界で応用・具体的なことをバンバンやってく世界であるのに対して、アカデミアの研究の世界はとことん抽象を極める。俺は少なくともそういう思考をする経験をしてよかったと思う。」

👨 京大理系院卒→ハードウェアベンチャー経営社の方

「アカデミズムへの期待感はあまりないし、問題ばかりが目につくけど、かといってやはりサイエンスや学問への畏敬の念は忘れてはいません。大学にいるのだから、やはり学問の深みはたしかにふれてもらいたいとおもいます。ぜひひろく深く世の中を見れるようになってもらえたら、もっとすごいことができるんじゃないかという気がしました。」(原文ママ

💁 OLの方

「大学の方を諦めるのは全然後でもできるし、そんなに悩んでるなら今進路を決めるのは早計だと思うよ」

👨📸東北大理系院卒→夜桜の写真でバズるエンジニア

「〇〇(某有名ベンチャー)の人って自分の会社経営しながらPh.D.取ったんだってよ。死ぬほど優秀な人だけどね」 僕「へえ〜。(そう考えるとデザインがあるから学部の卒業ができないってのは甘っちょろいのかな)」

依然進路は未定

とりあえず学部の卒業は決意したものの、結局どの道で生きていくのかは未定です。きっとこれからの大学3・4年次で見えてくるものも多いでしょう。 来年はFlattも勉強も頑張る大変な1年になるということだけが決まっただけですね。

生産性の全くない記事で申し訳ないですが、思うところがあった方はどしどしご意見いただけると嬉しいです。 それでは。